1章

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白鷺 蒼は俺の幼馴染みで親友だ。 色素の薄いサラサラな髪に軽くワックスをつけてさも自然に風と共に生きてますよみたいな髪型を演出している。簡単に言うと王子様ヘアーだ。奴は女子がツーブロとか刈り上げとかよりナチュラルなサラサラヘアーがお好みな事を知っていやがるのだ。そして王子様の名を欲しいままにしている最大の理由は奴の笑顔だ。ふわりと目を細めて笑う姿は男の俺でも「あ、イケメン。」と半ば本能で言ってしまうくらいだ。とてつもない爽やかな笑顔は女の子にとってキラースマイル、一撃なのだ。 俺は王子がリトル王子の時代から一緒にいてよく遊んだ。子供の時は外見のことについて特に考えたことはなかったから何も考えずに楽しく蒼と遊んでいた。 しかし大きくなるにつれて俺は蒼との差を見せつけられる羽目になる。蒼はその外見と持ち前の性格の良さで次々に可愛い(重要)女の子達を虜にしていった。 しかし俺の心は折れなかった。蒼と並んでも負けないように自分なりに頑張ったのだ。それなりに女の子に告白されるくらいには自分を磨けた。イケメンに屈せずに強く生きた証だ! 文句ばかり言っているが、俺にとってこいつはちゃんとしっかり大切な友達である。 しかし、それとこれとは別だ。全然、全く、別次元の世界だ。
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