2章

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2章

「蒼って姫川さんに下の名前で呼ばれてるんだね?」 あたかも「なんとなく聞いてみました~」感を出しつつ蒼から解説が入るような言葉を選んだ。 正直俺はハチャメチャに動揺している。姫川さんが男子のことを下の名前で呼ぶところを初めて見たのだ。ショックだった。恥ずかしいが俺は相当ショックを受けている。 俺の焦りを他所に蒼はあっけらかんとした態度で話す。 「ああ。それはずっと白鷺って苗字がしろさきかしらさきか分からなかったらしくて、間違ったら恥ずかしいから下の名前で呼んだって言ってたよ。それで定着、って感じ。」 「へえ~。そうなんだ~。姫川さんでも分からない事あるんだな~。」 「まあ苗字って色々あるからな。」 っよかった~~!!!! ひとまず安心した。姫川さんが名前で呼んでもいい?とか言ったオチだったらその瞬間教室の窓ガラスを突き破って飛び降りようかと思っていたところだ。 しかしそんなディープな会話(?)をいつの間に姫川さんとしていたのか、流石は爽やかイケメン王子。 優しい顔でニコニコと笑う親友に1人静かな闘争心を燃やしていた。
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