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「ちょっ、あっ、もうっ、はげし......あ、ああ!」
記録的な大雪は電車を完全にストップさせた。
真っ白に曇った窓を見ながら、汗だくの身体をぶつけ合う。
「くっ、はあっ、何っ見てんの?」
首筋に舌を這わせ、イタズラに覗き込むこの男は相変わらず真っ直ぐな目で私を見る。
「もうっあんたがっ、しつこいから、疲れたのよ!あっ、そろそろ終わっ......ひゃあ、やん。」
何度も抱かれガクガクになった身体をひっくり返され、背後からギュッと抱きしめてきた。
2人の荒い呼吸が部屋に響く。
「ふう、ちょっと休憩。外、見てたの?」
耳元で囁く声はまだまだ熱く、お尻の辺りには厚みの衰えない同僚のモノが当たっている。
「っ別に!ただ、雪を見てたの。綿みたいで可愛いから好きなのよ。あの、お尻に当たるから......」
今更だが、お尻でピクピクしているモノが私の中にたくさん入ったんだと思うと恥ずかしくなってきた。
私はこういった情事の後のマッタリタイムは嫌いだ、楽しめなかったし、楽しくなかった。お別れを予感させる時間としか思えなかったから。
「照れてる?」
くすりと笑われ、可愛いねと囁く。
何こいつ、キャラ!変わりすぎでしょ。
「あのさ、勘違いしないで欲しいんだけど!付き合ってないから。私まだ忘れられない、だけどあんたがそれで良いって言ったんだからね?」
「うん、分かってる。だけど、好きなのを隠す必要はもうないだろ?オレが甘やかすのは勝手だし。
オレ、好きな子にはドロドロに甘やかしたい派なんだよね。......ね、このまましちゃう?」
スリっと擦り付け、くちゅくちゅと私の入り口にイタズラする。
「あっあん、も、そういう甘いの慣れてないからっ、だ、やめっ挿れなっああ、やん、あっ」
好きだ愛してると何度も囁かれ、本当にドロドロに甘やかされて朝を迎えた。
というかいつの間にか意識を失っていたようで、目覚めた時には整頓されたベットで、暖かいパジャマを着て向かい合って寝ていた。
ほんの少しだけ、こんな朝が迎えられるなら付き合っても良いかもと思った。
が、本人にはまだ言わない。
上半身を起こし、窓の外のまだ降むには少しかかりそうな雪をしばらく見ていた。
もうたくさんの雪がベランダに積もっている。
その時の私は幸せそうに笑ってしまっていたかもしれない。
「ね、起きてよ、うさぎの尻尾つかまえよ?」
☆おわり☆
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