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「ただいまー」
家の鍵を開けながら誰も居ない家へ一応挨拶する。今日は雪のお陰でいつもよりも早く帰れたが、それでも外は結構暗かった。帰るまでに体は冷え切り、とても寒い。
携帯を確認すると、彼氏から電話がかかってきていた。10分前のものだったので慌ててかけ直す。
『もしもし』
『もしもし、あ、コート脱いでるっぽい音するし、今帰ってきた感じ?』
『そうなんだよ。まだ暖房も効いてなくて凄く寒い』
『暖めてあげようか?』
『どうやってさ』
『うーん、会いに行ってギュッってするとか?』
『今何時だと思ってるの』
『11時。まだ全然大丈夫じゃん』
『明日も仕事なんだけど』
「今夜は凄い雪だし、明日は結構積もってるよ。だから遅刻しても怒られないよ」
「同じ社会人とは思えない発言だわ。というかなんで本当に来てるのさ」
「まあいいじゃん、俺の家このアパートの二階なんだから」
「だからってさ。飲み物とかあんまり出せないし」
「いいの、だって君を暖めにきただけだから」
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