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「はなちゃんとじゅんくんは仲良しさんでし。お似合いでふ」
眉間に依るシワは隠せないけれど、なんとか口角だけは引き上げて、目を細めてお世辞を述べてあげまちた。
はなちゃんはくねくねと体を揺らして嬉しそうでし。
……キモい。
顔面がひきつってピクピクでふが、作り笑いをしていないとりおちゃんがまた泣くでふ。
ワタちがイジメたみたいでイヤなので、無理矢理笑顔を作ってこの場を凌ぐでし。
手元の折り紙がぐしゃっ!とならないようにも気を付けるでふ。
……人付き合いって大変。
「ゆーりちゃんはまさるくんにあげるでしょ?」
「……なぜでし?」
必死になって平常心を保とうと努めるワタちに、はなちゃんは恋話を続行してきましゅ。
「だってぇ~、まさるくんがゆーりちゃんの事好きだって言ってたもーん」
……張り倒していいでしか?
顔面凍結したワタちの小刻みに震える拳を、ひやりとした感触が被いまちた。
正面からりおちゃんがプルプルと震えながら身を乗り出し、両手でワタちの拳を押さえ、青冷めた表情で首をブンブン振りましゅ。
……判ったでふ。落ち着きましゅよ。
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