好き好き大好き

5/8
前へ
/8ページ
次へ
「はなちゃんとじゅんくんは仲良しさんでし。お似合いでふ」 眉間に依るシワは隠せないけれど、なんとか口角だけは引き上げて、目を細めてお世辞を述べてあげまちた。 はなちゃんはくねくねと体を揺らして嬉しそうでし。 ……キモい。 顔面がひきつってピクピクでふが、作り笑いをしていないとりおちゃんがまた泣くでふ。 ワタちがイジメたみたいでイヤなので、無理矢理笑顔を作ってこの場を凌ぐでし。 手元の折り紙がぐしゃっ!とならないようにも気を付けるでふ。 ……人付き合いって大変。 「ゆーりちゃんはまさるくんにあげるでしょ?」 「……なぜでし?」 必死になって平常心を保とうと努めるワタちに、はなちゃんは恋話を続行してきましゅ。 「だってぇ~、まさるくんがゆーりちゃんの事好きだって言ってたもーん」 ……張り倒していいでしか? 顔面凍結したワタちの小刻みに震える拳を、ひやりとした感触が被いまちた。 正面からりおちゃんがプルプルと震えながら身を乗り出し、両手でワタちの拳を押さえ、青冷めた表情で首をブンブン振りましゅ。 ……判ったでふ。落ち着(おちちゅ)きましゅよ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加