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売店ではスキー場オリジナルのマグカップに入ったホットチョコレートが売られていた。
「せっかく来たし、買ってみようかな。」
そそくさと彼女はレジに向かい、マグカップを2つ持って戻ってきた。
「はい、今日運転してくれたお礼。」
「おっいただきまーす!」
冷えた手のひらでカップを包むとじんわり血が巡り、甘さが脳の緊張を解くようだった。
「まあ田舎のイルミネーションて感じね、密度が無いというか……」
「確かに。実物より写真の方が確実に盛れてる。」
「こんなくそ寒い中、スカスカのイルミネーションを見て、楽しいなんて不思議。」
「俺達は写真を撮るって目的があるけどね。あとはSNSに載せたりするんじゃない?行きましたっ!て。子供なんかは冬休みの絵日記に描いたりさ。」
「大切な人と過ごす時間を作りに来てるのね。寒すぎて全然ゆっくり見られなくても、それすら思い出になるんだわ。」
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