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僕の朝は遅い。朝の9時。大体この時間に掃除機の音で目が覚める。眠りは浅いが、僕の寝床ならあまり邪魔されずにゆっくりできるのだ。
僕は猫である。名前はミケ。お気に入りの寝床はこたつ。僕の1日はこたつで始まりこたつで過ぎてこたつで終わるのだ。
9時15分。掃除機の音が止んだこの時間に僕がすること。そう、二度寝だ。僕達猫は1日の半分を寝て過ごす。だって眠りが浅いから眠いんだもん。
9時45分。寒いのを我慢しながらこたつから出て、洗濯物を干しているママさんにご飯を貰いに行く。だが、ただねだっただけではこたつでのご飯は叶わない。少しコツがいるのだ。
僕はママさんの足元に近寄り、頭を擦り付ける。
「あらミケ、ご飯ほしいの?」
「にゃーん」
「少し待っててね。すぐ持ってくるから」
ママさんは家の中に入っていった。ここで言われた通りに待機していてはこたつでのご飯は叶わない。この家のもう1匹の猫は素直に待って寒空の下ご飯を食べているようだが、僕はそんなの耐えられない。
僕はママさんのあとを音を立てないようにして追い、ご飯をお皿に出したところで飛び出した。
「にゃー!」「あらミケ、付いてきたのね。はい、ご飯」
ママさんが僕の前にお皿を置く──その瞬間! 僕はピュッとこたつへ駆け出す。するとママさんがお皿を持って追いかけてくるのだ。
「もう、こたつで食べたいの?しょうがない子ね」
こうして僕はいつもこたつでぬくぬくしながらご飯を食べるのだ。
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