こたつは素晴らしいのだ!

4/5
前へ
/5ページ
次へ
夜の7時40分。 「「ただいまー」」 この家の娘二人が家に帰ってくる。年は違うが、通う高校が同じなのだ。 おやつを食べていないので空腹のままウトウトしていた僕はこたつから飛び出した。そして、姉の梓に頭を擦り付ける。 「ミケ、お出迎えのつもり?ありがと」 言葉は素っ気ないけど、梓は家族で1番優しく頭を撫でてくれる。僕は梓が大好きだ。 「お前は梓ばっかり贔屓するよな。楓の方が俺らを可愛がってくれるのによ」 梓にじゃれていると、タマが僕を不思議そうな顔で眺めていた。 「梓はいつも言葉が冷たいじゃないか。お前もたまには楓にじゃれたらどうだ?」 「そんなこと言うなんて、タマは梓の良さを分かってないよ」 僕はタマを無視して梓にじゃれ続ける。すると、梓は僕をこたつに運んでくれた。 「今日はここで晩御飯食べるわ。持ってくるからちょっと待ってて」 「あ、私もそうする」 梓がキッチンへ向かうと、妹の楓もタマをこたつへ運んで来てからキッチンへ向かった。 「感謝しなよ? 梓のお陰で楓とこたつに入れるんだから」 「はいはい。でも俺は楓の方が好きだな」 「強情なやつ」 「まあ、梓も嫌いではない」 「おっ?デレた?デレたの?ねえ?」 「うるせえ!!」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加