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今では結婚48周年を迎えるけど。
年々会話は減っていく……
互いに増えたのは、皺と別々で過ごす時間。
近頃では同じ家に住んでいるだけの同居人みたいだ。
だけど、雪が降る日だけは少しだけ、いつもの貴女と僕よりも会話があるような気がするよ。
今日はあの日みたいに、朝から降り出した雪が夜になって積もっているね。
僕は小説を読みながら、貴女はテレビを観ながら、炬燵で暖まりながら無言は続く。
テレビを観ながら、貴女は言う。
「雪……すごいですね、皆んな可哀想に」
テレビには、雪道を帰宅する学生やサラリーマンが映っている。
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