雪降る夜に

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 朝はパラパラとしか降っていなかった雪はいつのまにか降り積もり、僕が仕事を終えて会社を出る頃には革靴が半分埋まるくらいに積もっていた。  あまり雪を見ない此処で育った僕は、朝お気に入りの革靴をセレクトしてしまった事に後悔をしながら、ぐちゃぐちゃになってしまった雪の上に革靴の足跡をつける。  雪の影響で電車は遅れているみたいだ。  観たかったドラマにも間に合いそうに無い。  思い返して見れば朝からずっとついていない……  あまり仕事が出来る方では無い僕は、今日もまた上司に叱られてしまったし、こんな雪が積もる日に残業だったし。  前に契約が取れた時に履いていた革靴は、僕の中で小さなおまじないのような気持ちで履いてきたけど……。  現実はぐちゃぐちゃと冷たい雪の上を歩いている。
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