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世間ではホワイト・デイだのと騒いでいる、深夜の仕事の帰り道、独りでビル街を歩いていた友子は、そこでかなり年式の古いコンバーチブルに乗って友子を迎えに来た、あの海辺の青年に久々に会った。
青年は友子の首にネックレスを付けた。
友子は黙って車に乗った。
青年の運転する車で、高速を走り抜けて夜のドライブ
まるで流星のように走り抜ける車と、青年の横顔
車はやがて高速を飛び越え、夜のイルミネーションを後に空中に飛来し、そのまま宙空の時空を、さらなる高速で、まるで流星のように走り抜けていった。
友子はこのままどこまでも青年と一緒に、流星のように走り続けて消えてしまいたかった。
青年は何も言わないで、ただひたすら夜空の上を光の速さで車を走らせ、月の向こうまで突き抜けようとしていた。
さようなら
車は流星の速さで夜の空を駆け抜けていき、そして夜空の闇の中に静かに消えていった。
(終)
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