此処でサボったのが運の尽き

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 三日後、人気のない社食で、その男に出くわした。 「おお、お前は確か、ハスの花子」 「(れん)ですよ」 と蓮は自動販売機の前で、渚に言った。 「サボりか」 「人聞きの悪い。  もう私は終わりなので、帰りにアイス買って帰ろうかな、と思っただけです」  何種類もあるアイスの自動販売機を見ながら渚が、近くの椅子に腰を下ろして訊いてくる。 「それ、美味いのか?」  蓮は小首を傾げながら、 「美味しくないこともないです」 と答えた。
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