終章 嘘だとわかって、乗ってみました

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 そうですね。  似てるかもしれませんね。  この強引なとことか、ワンマンなとことか、人でなしなところとか。  ぐったりする蓮の横で、統吉はご機嫌だ。 「つまりは、蓮はわしが好きなんじゃな」 「はあ……そうかもしれませんね」  まあ、おじい様の機嫌がいいなら、それでいいか、と思って、その話は流した。 「まあ、お前も蓮に飽きんじゃろう。  わしもまだ、富子に飽きとらんからのう」 と祖母に言い、祖母は、まあ、と頬を赤らめていた。 「ああそうだ、蓮。  わしは別に具合は悪くない」 「……わかってましたよ」  そんなツヤツヤした病人が居ますか、と言う。
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