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「でも、おじい様ほどの方が、あんなつまらぬ三文芝居を打つから、そこまで切羽詰まっているのかと乗ってさしあげたんですよ」
と言うと、そうか、と言う。
「だが、なにも嘘は言っとらん。
わしも老人じゃ百年以内には死んでおる」
「そんなの私だって、死んでますよ……」
そこで、渚は、統吉を見て言った。
「結婚を許してくださってありがとうございます」
ようやくまともになった渚の口調に、統吉も威厳を取り戻し、うむ、と頷く。
「貴方の望み通り、蓮にはこの家を継がせてください」
「えっ?」
「俺が稗田の家を出ます」
「渚さんっ」
渚がそんなことを考えていたとは思わなかった。
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