終章 嘘だとわかって、乗ってみました

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 慌てる蓮の後ろで、統吉が、 「お前は、阿呆か」 とそんな渚の決意を切り捨てる。 「蓮がこの家を捨てられぬようにお前も捨てられんじゃろう。  まあ、子供でも作れ」  祖父の言葉に、またか、と思う。 「何人か産んだら、誰かがそれぞれを継ぐだろう。  わしもそれを見守ろう」 「何十年も元気な想定だな」  すげえな、ジジイ。  気に入った、と小声で渚が呟いていた。
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