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頭になにか軽いものが載せられる。
蓮は目を開けた。
「うん」
と花はなくとも、美しい蓮の池を背に、渚が頷く。
「着物には間抜けだが、よく似合うぞ」
「だから間抜けなときに載せないでくださいよ~」
と赤くなりながら、ティアラを外そうとしたが、その手を止められた。
跪いた渚が蓮の両の手首をつかんだまま、口づけてくる。
目を閉じると、涼やかな池の風が感じられた。
「蓮、結婚してくれ」
そう言う渚に、蓮は微笑む。
「じゃあ、飽きるまで側に居てください」
「……どっちが?」
「貴方がに決まってるじゃないですか」
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