終章 嘘だとわかって、乗ってみました

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「……羽田(はだ)さん」  そちらを凝視したまま、渚が言う。 「誰だ」 「課長代理です」 「これがか」 「実は、おにいちゃんが真面目に働いてた頃のお友達なんです」  最初はそれで親しく話すようになったんだったと遠い過去を思い出す。 「蓮、真面目に働いてた頃ってなんだ」 と港は苦笑いしている。 「秋津は飛び出したが、俺は今でも、ちゃんと働いてるぞ」  そりゃわかってますけどねー。  おじい様からしたら、放蕩(ほうとう)ですよ、と思っていると、 「蓮」 と羽田が呼びかけてきた。
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