終章 嘘だとわかって、乗ってみました

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「……結婚決まったんだってね。  おめでとう」  頭のティアラを見ながら、羽田が言う。  いや、ちょっと間抜けかもしれないので、見ないでください、と思いながらも、 「ありがとうございます」 と頭をさげた。  少し寂しそうに羽田は微笑む。 「じゃあ、またあとで、ゆっくり」 と兄は渚に言い、二人は池の中の小道を通って帰っていった。 「……蓮」 「はい」 「あれ、男の俺から見ても、びっくりするくらい綺麗な男だぞ」 「そうなんですか?」  そうなんですかって、と渚がつまる。
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