コインランドリーの男

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「ちょっと出てくるよ」 「えっ?今から?」 再び妻がテレビからこちらへ視線を寄越した。 その目が、とても驚いている。 無理もない、もう、今日が終わろうとしている時間なのだから。 「コインランドリーまで行ってくる。仕事で服を汚しちゃってね。明日も使うのに、この寒さじゃ乾かないだろう?それにお前、暖房入れたままで寝るの嫌がるじゃないか」 「あー、うん、わかったぁ。じゃあ、あたし先に寝とくから。気を付けて行ってきてよ?」 「気を付けてって、(うち)のすぐ近くじゃないか。まぁ、一時間もあれば終わるだろうから。・・・じゃ、行ってくるよ」 「んー。いってらっしゃーい」 見送る妻に軽く手を振り、隣の部屋からスマホと、ゴミ袋に入れておいた服を取って、そのまま家を出た。
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