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悪魔の郵便物
この日、全ての国民に向けて、とある郵便物が一斉に届いた。
『ピンポーン!』
一人暮らしをしている達也のアパートに、訪問者を告げるチャイムが鳴った。
達也はドアの覗き穴から、アパートの廊下を覗き見る。
するとそこには、郵便屋さんの宅配係の男性が、大きめの荷物を抱えて立っていた。
(何だろう?別に最近、通販を注文した記憶はないよな…)
そんな事を小首を傾げながら、「ハーイ」と返事をして扉を開ける。
『ガチャ!』
「こんにちは。お届け物です。こちらに判子かサインを頂けますでしょうか?」
「あ、はい。ちょっと待ってくださいね」
そう声を掛けながら、届いた荷物をチラっと見る。
ギターケースでも入っているのでは?という程の大きな荷物だった。
部屋にあるであろう判子を探す間、その大きな荷物に心当たりがないか考えながら部屋を徘徊する。しかし結局、荷物の当てに辿り着くまえに、タンスの中にあった判子に辿り着いてしまった。
「お待たせしました」
そう言って玄関に戻ると、郵便配達係の男性が伝票を取り出し、
「こちらに判子をお願いいたします」
と、受取印を押すべき場所を指し示す。
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