悪魔の郵便物

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この状況で、家族の動向も気になった。両親は携帯電話がガラケーなので、アプリのケーブルも使っていない。  メールだとタイムラグが出そうだったので、そのまま実家に電話をした。 『プルルルルル… プルルルルル…』  受話器の向こうから呼び出し音が聞こえる。それが数回繰り返し鳴った後に、 『ガチャ』  っと通電した音が聞こえた。 「はい、もしもし、輿石で御座います」 「あ、かぁさん!?達也だけど…」 「達也?どうしたの?」 「あのさ、今日、何か変な荷物が届かなかった?」  すると母親も怪訝な思いでいたのか、間髪入れずに、 「届いたわよ!何あれ?何だか大きい荷物が2つも届いたんだけど…」 「2つ? 2つも届いたの!?」  実家には荷物が2つ届いた事が判った。これは何故かと考えを巡らしたが、直ぐに答えが出た。 (実家は両親の二人暮らし。たぶん家族の人数分、送られて来ているようだな…) 「なに達也の家にも届いて居るの?」 「うん、届いてる。どうやら隣の部屋に住んでいる人にも届いているみたいだし、郵便屋さんの荷物がチラっと見えたんだけど、あの荷物は近所全員に届けられているらしいよ」 「何だか怖いわね~」     
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