悪魔の郵便物

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「家にも届いている事が判って、ちょっと状況が掴めてきて良かったよ。父さんは今日も休日出勤?」 「そうなのよ。だから突然こんな荷物が届いて不安だったの。達也が連絡してくれて、お母さんもちょっと安心したわ」 「俺も、独自に調べてみる。何か判ったら連絡するから、かあさんは危ないから荷物には手を出さないでね」 「解った。ありがとう達也」  そう言って、一旦実家との通話を切った。  荷物は一つの世帯に一箱だと思っていたが、家族の人数分、則ち一人一人に送られていることが事が判った。これは状況を把握する上では大きな進歩かもしれない。  そして先ほどまでチェックしようとしていた、スマホのケーブルアプリ画面を見ると、皆がこの謎の箱の話題で持ちきりだった。  このグループでやりとりしている人たちの所在地や職業は、流石に東京近郊が一番多いが、地方から出て来て地元で就職した者、長期出張で地方に滞在している者なども居るので、この荷物は日本全国にくまなく届いている事が解った。 (これは一体、何が起こっているんだ?何が起ころうとしているんだ?)  グループのやりとりを見ていると、何か全国的なイベントが始まるのではないか?という期待感から、高揚するテンションでハシャイでいる者も何人か散見された。
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