1人が本棚に入れています
本棚に追加
「綾ちゃん、同じ小学校じゃなかった?」
「あぁ、うん。同じクラスになったことはなかったけどね。うちの小学校2年に1回しかクラス替えなかったし…」
「何だ?相川もあーゆー奴がいいのかぁ?」
やれやれと言った感じで健人が言う。すると由梨は慌てて否定した。
「そっ、そんなんじゃなくて…っ!」
「健人はデリカシーが無さすぎ!」
私はもう一度、拳を握り健人に振り下ろした。
「いってぇー!!」
「こんなおバカはほっといて、次の授業の準備しよっと」
「俺が負傷したら来週の練習試合に響くんだからな!もうちょい大事にしろよ!」
私に殴られた所をさすりながら、健人が言う。
「ら、来週試合があるの?わっわっわっ、私!応援しに行っ、行っても良いかなっ?」
あらっ、由梨が頑張ってる。普段はおとなしくてモジモジと恥ずかしそうにしてる由梨が。
「マジで?相川、応援に来てくれるの?やったぜ!張り切る奴が多くなりそうだなー」
「え、えへへ。応援、するねっ」
嬉しそうに笑う由梨に、こっちまで笑顔になる。
キーンコーンカーンコーン…
「あ、チャイムが鳴っちゃった。またね、綾ちゃん、健ちゃん」
由梨が自分の席に戻っていく。
由梨は健人が好きなんだな。健人と話してる時の由梨は、なんだかいつもより可愛い感じがした。
私はまだ誰かを好きになったことはないけど、いつか誰かを好きになれたら、由梨みたいに可愛くなれるのかな…
うーん、想像出来ない。
みんなどうやって恋愛とかしてるんだろ?
そんなことを考えながら、次の授業の準備を始めた。
最初のコメントを投稿しよう!