1.芽吹く青

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20XX年9月 私が住む この港町である[事件]が起こった。 私と彼はそれに巻き込まれ、私だけが助かった。 あの時、私に勇気があったなら、 彼を助けられたのだろうか。 ひとりぼっちの彼を救えたのだろうか… 私は毎年欠かさず、その日が来ると花を手向けにこの場所に来る。 また来年も同じように来るだろう。 夏の終わりの涼しい風が、 海の水面を優しく撫でて、 私の髪をくすぐりながら、 秋の訪れをそっと教えた。 そして再び、黒い花の甘い香りが広がる…
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