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第1話 ラオフェン・ドラッフェの伝説
遥か昔、惑星アースグランド――当時は「地球」と呼称されていた――では、大規模な大戦があった。
蒼く広大な星を二つに隔てた陣営の片方は、圧倒的な物量で攻め入る相手に対抗すべく、優秀なパイロットを積極的に投入した。
本来あるべき休みもなく、戦いのみに生きることを強いられた彼らは、パイロットという「人」の枠を超える成長を余儀無くされ――「エースパイロット」と呼ばれる「超人」と化していく。
そうして戦い抜いた先が敗戦であっても、彼らはその瞬間まで戦うことを辞めなかった。折れることすら許さない時代が、彼らをその境地へ追いやったのだ。
資源も戦力も豊かな勢力は、兵に無理はさせない。ゆえに、エースパイロットなどという、「歪」な存在も生まれない。
――エースパイロットがいない時代こそ、人々が待ち望む平和な世界なのだ。
◇
星々なのか、爆発なのか。神秘の光か、命の灯火か。
遠目に見ては判別できない、この空間を裂くように――二つの閃光が宇宙を翔ける。
『ラオフェン! さっさとコイツを引き剥がせ!』
「わかってるよ、慌てるな」
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