幼馴染のアイツ

7/56
215人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
  ――春人君かぁ。・・・・ちょっとだけやけど、かっこよかったな!  握手した右手がなんだかくすぐったくて、沙耶香は母親にみつからないように、こっそり微笑んだ。  リビングに戻ってぼんやりと、さっきの男の子――藍澤春人の事をあれこれ想像していると、再びチャイムが鳴った。母親が応対し、玄関の扉を開けると、先程の男の子がニコニコして立っていた。 「あら、さっきの藍澤春人君ね? どうしたん?」 「おばちゃん、沙耶香ちゃんおる? 遊びに来た!」 「そうなん。遊びに来てくれたん? 沙耶香やったら、おるよ」 「ほんま? 入ってもえーかな?」 「えーよ。いらっしゃい」 「おしゃましまーす!」  母親はリビングに案内し、春人を招き入れた。沙耶香は春人が再び現れたことに、驚きを隠せない顔をしている。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!