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ちなみに、放送委員をやらないかと誘ってきたのは航の方だった。二人で校内放送すんの面白そうじゃん? どうせ何か委員会やらなきゃいけねえんだし、昼休みの学校を二人でジャックしてやろうぜ! ぜってー楽しいって。なんて言いながら、一緒に観た映画に出てくるギャングさながらの調子で、肩に腕をまわされた。そんな風にして一年生からはじめた放送委員も、もう二年目の夏になる。
航に目で合図をおくると、イントロが少しずつ小さくなっていく。ぼくはマイクのオン・オフを切り替えるカフをゆっくりとあげた。
「お昼休みの時間です――」
ぼくらの放送が学校中に響きわたる。
今日もうまくいったな、と親指をたてて白い歯を見せる航は、いつかのギャング映画に出てきた主人公そのままのポーズで、放送中なのにぼくは思わず笑ってしまった。
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