1月27日

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   ――1月27日。  正樹くんが食料をまだ隠していることに気付いたのは、この避難小屋に来て三日後の夜のことだった。  そう、ここに来てから既に三日が経っていた。  私たちは未だ避難小屋に閉じ込められていた。  予想以上に吹雪が止まなかったのだ。事前に調べていたここ数日の天気は、そこまで荒れないとの予測だった。が、それは大きく外れてしまった。  初日に確認済みだけれど、スマートフォンはずっと圏外だ。外は嵐のような風雪で、助けを呼ぶにも呼べない。でも私たちは、入山前に登山ポストに登山計画書を提出している。本来ならもう下山している予定だから、親や警察、勝間山荘の管理人など、誰かしらが私たちの異変に気付き始めているだろう。  避難小屋の雰囲気ははじめこそお気楽なものだったけれど、当然のことながら、日に日に険悪になっていった。 〝なんでこんなことに〟 〝早く家に帰りたい〟  狭い避難小屋の中では、そんな愚痴も漏れ聞こえてしまう。私も皆も、このままここから出られないかもしれないという焦りと絶望の中、徐々に精神は疲弊していった。  そんな三日目の夜。  暗闇が辺りを包む中、私はLEDライトの小さな明かりと咀嚼音で目が覚めた。  
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