黒いフードの少年

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だから、こうして。誰も居ない屋上に、休み時間は来ることが多かった。 今日も外の空気が心地よくて、眠っちゃいそうなくらい。 ただ何もせず、ぼーっと空を見つめている。 ──ドン。 「……え?」 誰も居ない屋上。 それなのに聞こえる物音。 慌てて、スカートの裾をパンパンと手で払ってから立つ。 「だ……誰か居るの?」 そう周りをキョロキョロしてみても、人の気配は全くと言っていいほど何も感じなかった。 もしかしたら、気のせいかも。 うん。そうだ。 こんな屋上に居るなんて、私くらいだよ。 今頃、みんな誰かと笑い合っているはず。
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