4.意識

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   ゆっくり駐車場から通りに出た。 「運転に興味あるか?」  チラッと横を見ると頷いている。 「教えてやるよ。今日じゃないけどな」 「ホントですか!?」 「ああ、ある程度分かるようになったら免許取れ。ローン組んで車も買うといい。最初は中古車にしろよ、うんと慣れてから新車を買えばいい」  夢のような生活だ。  スーッと車がこじんまりした古びた店の駐車場に入った。 「ここは?」 「俺がよく来る古着屋だ。来いよ」  中にはたくさんの服があった。壁にもところ狭しとぶら下がっている。 「結構いい服が安く売ってるんだ、お前も買い物ここですればいい」 (古いって……ほとんど新品じゃないか!)  課長はどれだけ行きつけの店を持っているんだ? もう河野の存在そのものがびっくり箱に見えて仕方ない。  初めはおっかなびっくりで手も出せずにいた。河野が「俺も買う」と物色し始めたのを見て、それに釣られるように少しずつ手に取り始めた。 「お! それいいじゃないか」 「いや、そりゃないだろう!」  あれこれ考えずに服を選んで行くのは楽しかった。ふと気づけば左腕にかかっているのはジーンズが2本、ジャケットが3着、シャツが4枚、そして靴を2足掴んでいる。  ジェイは現実に立ち返った。  
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