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「松永さんってさ、彼氏いるの?」
「へっ!?」
いきなりそっち方面の話題に変わって、思わず声が裏返ってしまった。
「ん? もしかして地雷踏んだ?」
「いえっ、違います! 全然、いません、彼氏なんて!」
なんでこんなに必死に否定してるんだろう。
先輩もきょとんとした顔で私を見ているじゃないか。
恥ずかしくなって視線をそらす。
他の話題を振ったほうがいいのだろうか?
それとも、先輩は? って聞き返したほうがいいのだろうか?
でも、その答えを聞くのが怖いと思ってしまった。
先輩、彼女いるのかな……。
ちくん、と胸に小さな痛みが走る。
やばい。
これはもしかして本当に先輩のことを――?
そんなことを考えていると。
「……よかった。絶対いると思ってた」
ぽつりと先輩が呟いた。
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