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「ほんとにいないんだ?」
「はい」
高校のとき、ほんの一瞬だけ付き合った人はいる。
でも、イメージと違ったらしく、1か月持たずに振られてしまった。
恋愛なんて、それ以来していない。
「じゃあ、さ」
顔を上げると、まっすぐに私を見る真剣な視線とぶつかった。
ドキンっと、またしても心臓が跳ねる。
吊り橋効果、なんて文字が頭をよぎったけれど。
エアコンが壊れた心細さからくる、不安や緊張のドキドキを、恋愛のそれと勘違いしているのかもしれないけれど。
でも、それでもいいかな、なんて思ってしまっているのだ。
以前、テレビで誰かが言っていた。
恋をするには、feeling、timing、happeningの3つのingが必要だって。
その中でも、ハプニングが一番重要だって。
今、まさにハプニングが起こっているじゃないか。
煩いくらいに高鳴っている鼓動は誤魔化せない。
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