無関心だった。鈍感とは違うんだ。

2/17
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
高校時代の仲のいい友達四、五人で集まって、忘年会と新年会を建前に飲み会を開催した。忘年会、新年会というにはもうとっくにシーズンは過ぎ去り、一月も終わりのこの頃。 話題はそれぞれ就職した職場の話や、愚痴。進学したやつは日々追われる課題の山と交遊関係、それからバイトの話なんか。それに迫り来る二月のバレンタインデーに対する諸々。 自分を含めて男三人、女二人で集まったけど、弾むところの話は弾んで流すところは流す、和やかで楽しい時間を過ごしていた。 居酒屋で料理を摘まみながらお酒もすすみ、二次会のカラオケに移動だと支払いの為に席を立つ。 自分は酒が飲めないため、コーラや烏龍茶で雰囲気に酔う。いつもの事だし、みんなもわかってるから酒をすすめたりしないし、一人素面がいるだけで安心できる事もあったりする。 居酒屋の会計とか。 という訳で、会計係として集まった時に預かっておいた会費から支払いを済ませた。 戸を開けたとたん、風に揺れる短い暖簾に額をひっぱたかれた背の高い友人に続いてみんなが外へ出ていく。 冬の冷たい風の音や、吹き込んでくる白い雪の粒が外の寒さを嫌でも伝えてきた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!