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俺は家に帰りたくない……。
「ただいま」
市役所での残業を終えて、同僚と飲んでから帰宅すると妻、京と中学1年生の娘、春花はリビングのソファーに座ってテレビを見ていた。
「おかえり」の一言もなければ、当然労いの言葉もない。
テレビから聞こえる音と、妻と娘の甲高い笑い声だけが室内に響く。
腹立たしい気持ちはあるものの、俺は何も言わない。
今日もまた、いつも通り。
ただ無言のまま時間だけが過ぎて、テレビに飽きた頃には娘と妻が先に眠る。
職場の後輩の悩みを聞いたり、しばらく同僚と外食を続けていたせいか、最近はもう晩飯の用意すらされていない。
冷めきった夫婦生活と、親子関係。
もちろんこんな状況になったのには、訳があるのだが、正直ここまでの家庭環境は息苦しい。
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