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「自爆テロ で死んだ奴は、もっと悲惨だ。連中の中には体が吹っ飛んで、頭だけとか、もっと醜いのは肉塊だけの奴もいる。時代劇にでてくる、お岩さんも真っ青な、いい面だぜ。おっと、おまえには、お岩さんといってもわからないか」
恵人は口をあんぐりと開けて、ショックを受けた顔をさらしたまま、先輩幽霊の講和のような長話を聞いていた。
が心は、美少年の顔をすっかり台無しにしてくれたブロックと、そのブロックを放置した者への憤りが占めていた。
──ブロックを捨てていった奴を探し出して、化けて出てやる。
恵人は、ブロックに返り討ちにされた頭を見ながら、心で仕返しすることを誓った。
そしてすぐさま、ブロックを捨てたのか何の証拠もないのに、自分が知っている12人の素行の悪い少年たちの雁首を、戦国時代の敗軍の武士たちのさらし首のように、頭の中で長テーブルに並べた。
それから弁明できぬ、テーブルに並んでいる12人の顔を指差しながら 、こいつか? いや、おまえか? あいつかも? とブロックを置いた犯人を怒りの眼で捜していた。
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