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ユタとは、沖縄の口寄せ巫女で、いわゆるシャーマンのことだ。
本来は中高年の女がユタになるのだが、彼は生まれついての性(さが)で成人するとユタになったそうだ。
だが男のユタなど、誰も相手にはしてくれなかった。
そこでサンラー氏は、沖縄の古い言い伝えで、海の彼方に理想郷があると信じられているニライカナイを求めて中国の四川省の町を訪れた。
ところが運悪く財布を盗まれてしまい、途方に暮れた彼は、四川の山中を放浪する羽目になった。
するとそこに、古木のような風体の仙人が現れて、素性を聞くと有無を言わさずに、仙人の老人介護、いや弟子にさせられた。
そして長く厳しい修行を終えて安堵したとき、いや老木仙人の寿命が尽き、後を勝手に託されて1人山中で寂しく暮らすようになったときだった。
四川で巨大地震が起きた。
サンラー氏は山を下りて、村人たちを助けようと奔走した。だが助けた幼い少女の身代わりに命を失った。
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