第1章 霊の後輩誕生 

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【恵】  あっという間に小学校が小さくなり、見慣れた施設が瞳に映った。 「ここは」 「おまえが出てきた施設だ。俺はたまたまこの施設を通りかかったとき、死相が浮かんでいるおまえの姿を見て、学校まで後をつけたんだ」  沢口が連れてきた場所は、自分と弟の恵吾が暮らしている古びた児童養護施設だった。小学3年生の弟は自分の身の上に負い目を感じているようで、施設にきて口数が少なくなり、学校から帰ると、いつも側から離れなかった。  今日からは、1人になる。  恵人は、弟のことが急に心配になった。 「あの子は、おまえに似ているな」     沢口が、施設の窓から垣間見える恵吾を指差した。  今日は日曜日だ。学校は休みなので、普段の休みの日はまだ寝ている時間なのだが、恵吾は、自分がいないことに気づいて、探しているようだった。
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