第1章 霊の後輩誕生 

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「でも天国に行けば、幸せに暮らせるのでしょう? 僕は天国に行きます」 「俺は3か月、ここにいる。死んだ順番からすると俺が先にいくはずだが、まだこの世でさまよっている。1年経たないと、天国にいけないそうだ。だから、まあここで、気長に待つことだ。な、ここから先は長い。いや永遠だ。焦ることはない。せっかく知り合った縁だ。俺とちょっと付き合え。ここで、1人でさまようのは、寂しいぞ」 「わかりました。ちょっとだけなら」  恵人は渋々応じた。  恵吾の痛々しい姿を見ていると、胸が張り裂けそうで、すごく辛い。  いまは、ここから早く離れたかった。  いま直ぐにでも、恵吾の前から逃げ出したかった。 
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