第3章 重い十字架

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「……恵人。仙人のところに、連れて行ってやる。だが、あまり期待はするな」 「僕、弟を守れるなら、何でもやります」 恵人が涙を拭い、語気を強くして声を返してきた。 「そうか、そう決めたなら、ここでぐずぐずなんかしていられない。いくぞ」  その言葉は、恵人だけなく自分自身にも向けていた。  子供の自殺を眼にするのは、もうまっぴらごめんだ。  子供の自殺なんて、もう二度と、絶対に眼にしたくない。恵人の自殺は防ぐことはできなかったが、あの子はなんとしてでも救わなければ。  恵吾に自殺なんか絶対にさせない。という強い決意を抱いて、恵人の手を引きずるようにして空に飛び立った。
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