第一話:悪魔のような女

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*** 「この家だな……」 夜の住宅街で、俺は一つの家を見つけてほくそ笑む。 SNSで馬鹿みたいに普段の暮らしを実況している青山ゆかりとかいう頭の弱い女の家だ。 今からこの女の家に侵入して犯してやる。 会社をクビになり、人生の希望を失った俺にとって、刑務所なんかこわくは無い。 逆に、衣食住が確保されるだけでも儲けものだろう。 だったら、やりたいことをやって捕まりたい。 顔写真もアップしていたから、この女が可愛いことは知っている。 俺はポケットに残っていた『○○物産営業・田中健太』と書かれた名刺を破り捨てる。 過去は、今捨てた。 後は決行あるのみだ。
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