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「私ね。欲望が見たいの。堕落が見たいの」
女は笑みを崩さぬまま呟く。
その強い視線はまっすぐに俺を貫いていた。
「興味があるのよ。人を殺した人間が、どんな風に日々を生きるのか。どんな欲望を私に向けてくるのか……ね」
愉快そうに笑う女に、俺は大きく憤りを感じた。
この女は、俺を玩具にしようとしているのだ。
いや、むしろ観察対象だろうか。
自分を餌にして、それに食らいつく俺を観察して笑うのだ。
しかし、拒否権など俺にはない。
断れば、この女に全てをばらされてしまう。
「私の名前は安永玲愛。よろしくね、鷹取公平さん」
当然のように俺の名前を呼びながら微笑む玲愛。
差し出される首輪と手錠。
俺は心を縛られ、玲愛は身体を縛られる。
――この日、あまりに奇妙な監禁生活が始まった。
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