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俺の部屋のベッドには、裸に首輪と手錠を嵌められた女が横たわっている。
彼女は不敵な笑みを崩すことなく、俺を真っ直ぐに見つめている。
彼女の傍らには一台のノートパソコン。あれが俺の命綱だ。
あれから数時間をこの女と過ごしているが、こいつが俺を逮捕させたいわけではないのは本当らしい。
証拠に、あの男の死体を処理する際には的確な指示を与えてくれた。
マンションに住む数少ない住民の行動パターン、死体を埋めるのに適した山、あの男の携帯を使って会社への向こう数日程度のフォローなど。
諸々を終えた後、俺は約束通り彼女を家に連れ帰り、監禁したのだ。
だが、得体の知れなさは消えなかった。
「何かまだ疑っているようね。いいわ、だったら……」
玲愛がにやりと口角を釣り上げる。
「あなたが好きな青山ゆかりさんを恋人にできるように協力してあげる」
「はあっ!?」
「まずは見なさい。これが、あなたが殺した彼のSNSアカウント。そしてこれが青山ゆかりよ」
見せられたパソコンの画面に、俺は息をのんだ。
画面では確かに、顔写真をアイコンにしたあの男が、ゆかりと仲むつまじく会話をしていたのだ。
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