2眼目 痴れ者が濡らす衣

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「警察呼ぶって脅しといて、金払わせた後で結局は警察呼ぶとか、お前マジでワルな!」 「そしたらジダンキンももらえて、一粒で二度おいしーじゃん? ネクラおっさんなんて生きる価値ないんだからー、あたしみたいな若い子にお金くれて当たり前だよね~」 美沙の高笑いはとどまるところを知らない。 男もそれに同調して笑っていたが、ふとソファから立ち上がる。 「わり、ちょっとションベンいってくらー」 そう言って、部屋を出ていった。 美沙はそれを見送ってから、モニターに目をやる。 モニターには、最新曲の情報やカラオケ機材に搭載されたゲームなどを紹介する動画が流れていた。 美沙の顔から笑いが消える。 「どれも見たヤツばっか…つまんねー」 そうつぶやいて札の扇をたたもうとした時、画面の方向から電車の警笛が聞こえてきた。 「…へ?」 視線を札に向けようとしていた美沙は、音に驚いてそちらを見た。 モニターには、電車内の様子が映し出されている。 「は……?」 さらに驚いたのは、画面の中央に美沙自身が映っていたことだった。 隣には小島 勇人の姿もある。 「なにこれ…? 誰かが撮ってたってこと…?」 呆然としながら見ていると、画面内の美沙が勇人の立ち位置を確認し、右手で彼の手首を握った。     
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