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そして器具の横にあるネジを回すと、閉じられていた左まぶたがじわじわと開かれていく。
これに育美は肝をつぶした。
半狂乱になって叫ぶ。
「えっ!? ちょっと待って、なにやってんの!?? ねえ!!」
「あなたの左のまぶた…それを、こちらで開かせていただいています」
「そうじゃなくて! なんでこんなこと…ちょっとおおおおお!?」
育美の左まぶたは、完全に開いてしまった。
そこへコウサイはメスを近づけていく。
血の色をした刃は、さびているようにも見える。
そんなものが自分の眼球に近づいてくるのだから、普通の人間にとっては恐怖でしかない。
育美もそれは同じだった。
「やめてえええええええ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! ホントごめんなさい! 私知らなかったの! 恨みを晴らせるっていうから、ただそれだけで呼んだの! 呼んだ…呼ばせてもらっ…呼ばせていただいたの!!」
「恐れることはございません。報酬さえいただければ、あなたの復讐は完璧に果たされます」
「復讐っていうか、彼に言い寄ってくるあの女に、痛い目を、ね? ちょっと、その…だけどこんな…! そもそもなんで目なんかが報酬になるのよ!?」
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