3眼目 無闇な依頼にご用心

5/7

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
そして器具の横にあるネジを回すと、閉じられていた左まぶたがじわじわと開かれていく。 これに育美は肝をつぶした。 半狂乱になって叫ぶ。 「えっ!? ちょっと待って、なにやってんの!?? ねえ!!」 「あなたの左のまぶた…それを、こちらで開かせていただいています」 「そうじゃなくて! なんでこんなこと…ちょっとおおおおお!?」 育美の左まぶたは、完全に開いてしまった。 そこへコウサイはメスを近づけていく。 血の色をした刃は、さびているようにも見える。 そんなものが自分の眼球に近づいてくるのだから、普通の人間にとっては恐怖でしかない。 育美もそれは同じだった。 「やめてえええええええ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! ホントごめんなさい! 私知らなかったの! 恨みを晴らせるっていうから、ただそれだけで呼んだの! 呼んだ…呼ばせてもらっ…呼ばせていただいたの!!」 「恐れることはございません。報酬さえいただければ、あなたの復讐は完璧に果たされます」 「復讐っていうか、彼に言い寄ってくるあの女に、痛い目を、ね? ちょっと、その…だけどこんな…! そもそもなんで目なんかが報酬になるのよ!?」     
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加