第1章

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イズミは、 西北寮で初めての冬を迎えるにあたり、 リサイクルショップで、 激安のコタツを購入した。 なんの変哲もない、 地味な茶色一色のコタツ布団がついた、 一人用のコタツだった。 ところが、 買ったその夜、 そのコタツでうたた寝していると、 何かフワフワしたものが、 素足に触るのを感じた。 イズミは寝ぼけて、 「ああ、 マイケルが潜り込んでるな」と思っていたという。 マイケルとは、 イズミの実家の飼い猫である。 マイケルのしっぽが触れているのだと、 思っていたのである。 しかし、 イズミははっとした。 もちろん、 ここは実家ではない。
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