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朝はカーテンを開けない癖がついてしまった。
私はきっと、どこにでもいる普通の主婦だと思う。朝起きて洗濯機を回し、その間にパンを食べて先に仕事へ行く旦那を見送る。見送ったら薄く化粧を施して、洗濯物を干してから私も仕事へ向かう。毎日普遍的なルーティーンワークで終わっていく。好きでも嫌いでもない毎日。と、いうよりは身体がもう感覚を覚えてしまったため無意識にやっている。でも面倒と思っていないから、もしかしたら好きな方かもしれない。
夜も同じ。仕事から帰るとまず洗濯物を入れる。そしてテレビを付けてから少し急ぎ目で晩御飯の準備をする。カウンターキッチンは便利なもので、テレビを見ながら料理ができる。未だに感動する。明日の洗濯物は外で干せるかしら。そんなことを思いながら情報番組の天気予報を必ず見ながら料理をする。
そういえば今週は大寒波がやってくることを天気予報士が言っていた。
珍しくこの辺でも雪が降るそうだ。明日の天気予報は曇りのち雪だった。雪だるまのマークがこちらを見ている。
天気予報なんて大体明日は晴れか、雨かの情報と降水確率を見るくらいなのに、雪だるまと目が合ったため料理を作る手を止めて見入って しまった。
天気予報で目が合うのはキャスターと天気予報士しかいないのに、その日はもう1人、目が合った。毎日変わらない生活の、新しい出来事だった。
旦那が帰ってきてご飯を食べながら明日は寒いんだって、雪なんだってと伝えておく。旦那は自分で天気予報を見ない人だ。風邪を引かれても困るので雨や寒くなりそうな日は伝えている。
そうなんだ、寒いのは嫌だねとそんな話をした。
次の日、やっぱりカーテンを開けなかった。
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