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木田を三上姫が尋問している。
木田は身動きができるけど逃げられない程度に繋がれ、小守もついている。
場所は今回の目標となった組織が以前使用していた郊外の空き店舗、使い捨てるつもりなので木田が場所を覚えていても意味がない。
「どうしても教えて下さらないのですか?」
「あの人の名前を教えて助かった所で逃げ切れる気がしないからね」
「ナイト様の登場を信じてらして?」
「あの人がそこまで情に深いとは思ってないよ」
「では、黒服さんたちが仲間を連れて挽回にやって来ると?」
「それもどうかね」
三上姫は特にイラつくこともなく段取りを進める。
「あなたの救出部隊の到着が早いか、私の用意したゲームの終了が早いか試してみましょう」
「ゲーム?」
俺は別動隊が捕獲してあった平井ともう一人の女を隣室から放り込む。
「ほら、さっさとしろよ」
「木田さん」
「姉さんと橋本も捕まってたのか」
平井は会社員、橋本は三上の店の表の顔、つまり護衛もなく一般人として暮らしていたから、俺たちより簡単に捕獲できたらしい。
「この三名の中で一番最初に取引の全てを取り仕切っている者の名前を言った方だけ助けて差し上げます」
「若くて可愛い顔して、大した女ね」
「それではゲームスタート」
「河野だ、赤龍会の河野って男だ」
食い気味なくらい早かった。
「橋本、あんた」
一応の仲間と俺たちが呆れるくらいに。
「あまりに早くてつまりませんがゲーム終了です」
三上姫は直ぐに作戦企画の選択に入る。
「じゃあこいつ、好きにしていい?」
「次の作戦スタートまで1時間、それまではご自由に」
三上姫はスケジュールを確認し、伝達している。
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