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俺はすでに外を歩いている。
「とか言ってるかな、何者かよく分らないのは俺じゃなくて三上姫なんだけど……」
人目を気にするほど人通りもなく防犯カメラも申し訳程度の物しか見当たらないので、俺は微糖コーヒーを買い、公園のベンチで携帯から指定されたプランをチェックする。
「依頼概要、新興地下組織の解体、今日の召集は急襲部隊の二人か……」
俺は偽装を警戒して電話を差出人の三上姫に確認を取る。
「三上ですが、山崎さんアポなしの直接連絡は禁止しているはずですよ」
「偽装対策ですよ、依頼なら受けますから、どうせあの件も姫でしょう?」
「あら、お分かりでしたか」
「他に俺の周りで百万単位を簡単に動かせる人はいませんから、それに相手の事を考えない早い仕事も」
「お褒め頂いて光栄ですわ、それより依頼を受けていただけるなら前金は振り込んでおきますから体調を整えてらしてね」
「もしキャンセルしたら?」
「直接のメンテナンス料金が200万、派遣会社への百数十万の請求書が必要ですか?」
「いや、すぐに準備金振り込んでもらえればちゃんとしたメシでも食って備えられるかなー、とか思って」
「3時までには手続きを済ませますからご安心下さい、それでは集合時間には遅れないように」
「分ってます、じゃあ今晩また」
俺は電話を切り一応、周囲を確認するけど、誰も監視はいないようだ。
「まぁ、これも俺の仕事だ」
俺は気持ちを切り替え、準備のために街中へ向かう。
でもやっぱメシかな。
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