お父さん

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お父さん

 ぼくのお父さんは、朝はやくかいしゃに向かって、ぼくがねたころにかえってくる。  やすみの日もおともだちとお出かけしちゃうから、あんまり家にいない。  さみしくないか?ってきかれたことがある。  ぼくはさみしくないよ、ってこたえた。  嘘じゃない。ぼくはしってるから。  おべんとうに時々はいってるこげた卵焼き。いつもはお料理なんてしないお父さんが、がんばってつくった、あまいあまい卵焼き。  いつもお母さんがつくるしょっぱくてきれいなのもすきだけど、お父さんのこげたあまいのも同じぐらいすき。  でも、わがまま言ってもいいなら、もうちょっと遊びたい。みんなで、お母さんとお父さんと、ぼくで。  夢の中ではいつも、しあわせそうに笑ってる。3人で。だから、起こされちゃったときはなごりおしいけど、きまってお母さんは笑顔で、  おはよう、朝よ  っていってくれるんだ。夢の中でまってた、あさがくる。  今日のお母さんは、まるでいつものぼくみたちにはしゃいでた。窓のそとをさして、雪よ!って。
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