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ぽちょんぽちょんと、水の滴る音がして我に返った。
何か飲みなさい、流してしまいなさいと誰かに言われたような気がした。
そうだ何か飲もう。わたしはあまりにも、澱んでいる。悪いものがぐるぐると逃れる場所がないまま、わたしの中で渦巻いているのだ。
ごうっと音をたてて押し寄せてきて、またざざんと豪快に聞いてゆく綺麗な水が頭に浮かんだ。
白くて熱い砂の上を、舐めるように打ち寄せてくる、透明度の高いあたたかな、あの水。
にかあっと笑っているような、直線的な太陽の輝き。
あらゆるものが活き活きと鮮やかで、虫や魚や鳥や植物の命の波動が、吐いては吸う空気の中で蠢いているような気がした。
うねるような、命の気配。
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